駅のホームドア設置について

駅のホームドアの普及が遅い?

今から20年以上も前のこと
南北線のホームにホームドアがあった
なんて素晴らしいことなんだろうと思った。
それから、20年。

先日、中目黒駅で30代女性がホームに転落して死亡した。女性は家族の話によるとインフルエンザで体調が悪かったらしく、目撃者たちの証言でもふらふらして歩いていたとのこと。ホームドアがあれば女性は助かったであろう。

初めて見たホームドア

26年前くらいに、シンガポールに行ったことがある。当時インドネシアに父親が駐在しており、僕もジャカルタに住んでいたので、健康旅行的な会社の制度により、環境の良いシンガポールに少し旅行できるというものだった。

シンガポールの鉄道はホームドアがあった。その時は特に違和感を覚えなかったが、高校生の頃に南北線のホームにホームドアができていて、シンガポールで見たやつだ!って思いました。
もういい年だったので、ホーム転落で人が死んだり、自ら死んだりする事件をたくさん目にするようになっていたので、これがあればそんなことも減るはずなのになんで設置しないのだろう?と不思議に思った。

MRTのホームドア(シンガポール)

ホームドアの設置状況

思えば、ホームドアはいつから設置され始めたのだろうか。
気になったので調べてみました。

初めての国内ホームドア設置は1974年

日本で初めて整備されたのは東海道新幹線の熱海駅でした。これは1974年のことであるため、もう半世紀近く経過していますね。熱海駅は待避線が地形的に建設するのが困難な状況となっているため、通過列車もホームのある線路を走る。しかし、新幹線などはご存知の通り、高速で通過するため風圧は強くホーム上にいる人にとってはとても危険な状態であったそうです。

ホームドア設置駅数の推移

ここ数年の設置数を調べて見ました

2006年3月:318駅
2007年3月:394駅
2008年3月:424駅



2017年3月:725駅

国土交通省による、2020年までに800駅を目指すらしく、一応順調に進んでいるようですね。
ただし、1日10万人が利用される駅は全国で251駅あり、そのうち約3割の77駅ほどの設置しかできていないのが現状であります。
利用客が多い駅ほど、不慮の事故も多いと思いますが、多いからこそ、工事時間が制限されて思うように進まないのかもしれません。

参考:http://www.mlit.go.jp/common/001195039.pdf
国土交通省より

国土交通省のホームドア設置状況(2018年3月まで)

 

鉄道で初めて設置されたのは東京メトロ南北線

僕が当時確認している通り、やっぱり国内初の鉄道は東京メトロ南北線だったんですね。
当時、ホームドアとワンマン運転を考案したため、設置が決まったそうで、そのおかげでいろいろな駅で導入が始まっていると思うと、東京メトロ南北線(営団地下鉄)はじ鉄道ではパイオニアですね。

しかし、なぜこんなに実用的で、人のためになるものがすぐに全駅で当たり前のように設置されないのでしょうか?

ホームドア設置に時間がかかる理由

なぜ、こんなにもホームドア設置に時間がかかるのでしょうか。
そこで調べてみると、莫大な費用と、駅自体の課題があるようです。

設置にかかる費用

調べてみたところ、一番費用がかかるのはホームドアを設置する費用。一般的な駅なら数億~十数億円かかり、国からも補助金を出していますが、設置主体の鉄道会社が及び腰となっている。
確かに、僕が思っていた以上の費用がかかります。なぜ、そんなにかかるのか、その原因はホームドアの「重さ」にありました。

ホームドアの重さ、ホームの再構築

利用していて、よく見かける扉が横から滑り出すタイプで、1セット(1開口部)の重量が400kg前後。あるそうです。1車両に4ドア、それが12車両と考えると、48セット必要になります。
それだけで、19,200kg、約20tの重さがホームに乗るわけですね。
これほどの重さをホームで支えることを想定していなかったであろう古いホームなどは、そもそもホーム自体を作り変える工事をしなければですよね。

たくさんの列車が乗り入れる駅の場合は全ての列車に合わせてホームドアの位置を考えて設置するのも大変そうですよね。

山手線|高田馬場駅のホームドア

まとめ

初めてホームドアを見てから、ずっと「なんで早く設置が進まないんだろう」と思っていました。きっと同じように設置を望んでいる利用者は多いと思うし、クラウドファンディングなどでうまいこといかないかと思いましたが、僕らが頑張ってもホームドア1セット分ぐらいしか難しそうですね。

国土交通省も、2020年までに設置を急いでいるようなので、
それまでに少しでもホームでの事故が減ることを願うばかりです。

僕もバンドやっていた時代に、ストーカーがいたので(熱心なファンと言うべきかもですが)いつか、ホームから突き落とされるんじゃないかと、いつも注意してホームを歩いていたこともありましたが、、それはまたいつか話そうと思います(笑)